PTCセミナーへの参加
2010年12月11日 06:00
昨日は、3DCADベンダーのPTCさんのイベントに参加しました。 二日間にわたり、東京で行われ、様々なセッションの中から3つを選んで聴講しました。 昼食の会場では、各種製品の展示もされていて、とても興味深く説明を受けました。
実は、3DCAD・Pro/ENGINEERの製品活用事例のほかに、楽しみにしていたのが基調講演です。ローランド・ベルガー社の遠藤功会長のお話が聞けました。 遠藤氏は、「現場力を鍛える」、「見える化」などの本を出されており、日本の“ものづくり”にエールを送り続けている方です。本日も日本のものづくりへの力強いメッセージが伝わってきました。
講演のテーマは、「『日本品質』で世界を制す」です。 その内容を記録しました。
1.日本企業は何をすべきか。
いまは、次の50年の成長曲線の始まりの時期、目の前の大きなチャンスに挑戦しよう。 鳥の目(潮流・風を読む)、虫の目(土のにおいを嗅ぐ)
1)大胆な戦略転換
・脱コモディティ
・プレミアム立国
・「体格」ではなく、「体質」で競う
2)足元の競争力強化
・現場力の復権
・「体質」を創り出すのは、現場
・「人」中心の経営
・コストセンターではなく、バリューセンター
2.日本品質で攻めるための課題
1)「不満でない」から「大いに満足」「感動」というレベルに高める。
2)感性に訴えかける品質を作り込む。「ワクワクする」「ときめく」
3)機能的品質と情緒的品質の両方の優位、プレミアム品質を目指す。
3.品質におけるプレミアムというポジショニング
1)必要な3要素
・ストーリー(物語性)、サプライコントロール(希少性)、サービス(機微性)
2)プレミアム創造のために
・現場力の再強化、「つなぐ化」の強化、顧客と一緒に作る。
4.ノリを良くする。 多くの日本企業は今、“ノリ”が悪い。
会社全体でまずはやってみるという、雰囲気、気分、ムード作りが必要。
ノリのいい会社になるために、トップの言葉が重要
“やってみなはれ”
日本のものづくりの未来を作るために、“日本品質”を創造する事が大事だと、言われていました。 そして、そのためにやるべき事を4つにまとめられました。
・ 「体格」ではなく「体質」勝負をする。
・ プレミアム品質で勝負をする。
・ 現場力とつなぐ化を強化する。
・ そして、ノリを良くする。
日本の製造現場をよくご存知の方だからこそ、日本の現場の強さと品質の高さを、今後の日本のものづくり企業の強みとして磨くべきだと、おっしゃっているのだと思います。
これからの製造業の生き残り戦略を考える上で、とても参考になりました。
以上
リクルートチームの結成
2010年12月10日 06:30
12月4日に、今年のリクルートチームの結成キックオフミーティングを行いました。
今年は、営業・設計・製造から、各2人ずつ選出しました。
我が社の5年後を見据えての人事戦略です。 5年後の年齢構成と組織図を作ってみました。この5年間の間に、定年退職者が増加します。 毎年、何人の新入社員を入れて行けばバランスが取れるのか、数字の上でははっきりしています。 しかし、人の成長や技能の伝承は、時間のかかるものです。 ここ5年間に採用と育成をしっかり行っておかなくては会社の基盤も揺らいでしまいます。 業績と人件費の兼ね合いが難しいところではありますが、思いきった人への先行投資が必要です。
なぜ、新入社員なのか?といわれる事があります。 中途社員の方が、即戦力としていいのでは?という考え方もあります。 たしかに、中途入社の方は、様々な経験もしていて、必要な知識もある程度持っています。 しかし、それにこだわるあまり、自分を変えたり新しい事に挑戦する気持ちが不足して、我が社の社風を作っていく際に邪魔になる場合が多くあります。 特に年齢を重ねると自分の枠から踏み出すことを厭う気持ちが強くなるようです。
一方、新卒者を入れた場合は、しっかりした教育訓練が必要となります。 会社にきちんとした社風や教育訓練システムがあり、社会人として育つ仕組みができていればいいですが、そうでなければ、どうしても安きに流れてしまいます。 放っておいて育つわけではありません。
昨年から始めたチームでの新卒者採用活動ですが、いい学生さんを採用するという目的の他に、社員さんの意識の向上につなげ、会社全体で新卒を迎える、ということも目的にしています。 我が社の採用戦略を全員に説明し、どういうプロセスで採用活動をしているかという事も折にふれ話をしています。
リクルートチームは若手で構成をしています。 リクルートのメンバーは、学生さんに向けて、我が社の業務内容や社風についてはもちろんの事、理念や経営戦略、強みなどについても話をしなければならず、自社の事を客観的に見ると共に、会社を代表して発信するという役目を果たさなければいけません。
リクルート活動を通じて、若手社員が成長すると共に、会社の変革をリードするくらいの意識改革につながればと期待しています。
以上
教えて先輩/工業会人材育成分科会
2010年12月 9日 07:00
一年に1回、工業高校生向けに地元企業経営者が、働く事の意味や楽しさについて話をする、“教えて先輩”という事業があります。
今回も、主に宮崎県工業会県北地区部会の皆さんにお話をして頂きました。 日向工業高校3クラス、延岡工業高校6クラスに対して、それぞれ3名と4名の部会の社長さんに受け持って頂きました。
どの社長さんも、熱く生徒に語りかけ、なにかメッセージを伝えたいという思いがあふれていました。 自社の取り組みを紹介する中からものづくりの面白さを伝える方、現在の自社を取り巻く現状をお話しされる方、世界の中での日本の位置づけに関してお話をされる方、人生観や職業観について話をされる方、皆さんがとてもしっかり準備をされていると感じました。
なかには受信機が作動していないかな? と思われる生徒もいましたが、生徒さんからすると、とっても年上のオジサンの話に、大半の生徒さんは、非常に真剣に聞いていました。
生徒さんからみて、地元の中小企業の経営者がどう映ったのか、とても興味のあるところです。 このような機会を活かして、自分のこれからの生き方を真剣に考え、仕事の通じて生きがいを見つけられるように、早いうちから関心をもって考えてもらいたいと思いました。
教育を学校だけに任せるのではなく、産業界も一緒になって子供たちに語りかけて行きたいと思います。 人材育成分科会では、地元工業高校の先生方と一緒になって産業教育について考える機会を作っています。 教えて先輩だけでなく、会社訪問(工場見学)、インターンシップや会社説明会などの取り組みに積極的に参画しています。
特に、今、道徳や倫理観、人生観をどう持つか、ということについて、今学校では話がされていないと思います。 社会で必要な技能やノウハウばかり教えるのではなく、社会的な成功だけではなく、人間的な成功ということについてもともに考える機会を作っていきたいと思います。
以上
こころざし課題図書(平成20年12月度)
2010年12月 8日 06:30
“こころざし”平成20年12月分課題レポートは、ナタリア・ロシナさんの「 夕張への手紙 」でした。その時に提出した私のレポートを以下に掲載します。
1.エネルギーを生み出す
本を読み終えて、第一にナタリアさんのバイタリティ(生命力・活力・元気)に、とても感心しました。自分の成長に対するどん欲さは、周りの人にも多くの良い影響を与えていると思います。自らが、多くのつらく厳しい体験をしてきているにもかかわらず、非常に前向きで、あえて不安定を作り出しリスクを取り、失敗を怖がらずに多くのことに挑戦をし続ける姿勢は驚嘆に値します。「リスクを取らずに、色々一生懸命考えるのに、どこにも進まない人にはなりたくない。失敗を怖がらない、それが成長の素」
エネルギーを作り出すことを意識して、実践していることも非常に参考になりました。仕事・勉強・ライフスタイル・健康、等々非常にバランス良く時間を使い、人生を豊かにしていると感じました。エネルギーを自ら生み出し、多く使うことで、どんどん効率化して、無尽蔵にあふれ出してくるものなんだと思います。
2.プロ意識、本物を知ること
本書のいたるところで、“プロ意識”という言葉がでてきます。プロ精神(仕事に対して正しい心)を持てなくなったところから、夕張の倒産が始まった、冒頭に「沈みかけている夕張、北海道、日本のための変化の道筋へと導きたい」という言葉があります。「プロはアマチュア的なやり方を自分に許さない。改善をしていく。世界のベストを目指す。」。いつからか、私たちはこの“プロ精神”を忘れてしまって、安易な妥協に走っているのではないか?そういう気がします。職人の世界は技能に関してはこだわりを持っていますが、それを高いレベルまで磨きあげる努力を継続しているかという部分に疑問が残ります。
そして、「本物の勉強」不足。「本物を勉強すれば、何が正しいか、何が間違っているかわかる。本物がわかれば、自分がどのレベルにいるか、よくわかる。本物を知っている人は、本物しか作らない。」 ただし、難しいのは、本物にこだわるあまり、お客様の必要としているものを見失わないようにすることだと思います。自分のこだわりだけで極めていったとしても、それを求める人がいなければ、自己満足や趣味の世界で終わります。いつもマーケット(お客様)を意識していることが大事だと思います。
自分は、経営者としてプロフェッショナルと言えるのか? ということを時々考えます。プロとしてあるために、意識していることが“依存的にならない”ということです。環境のせい、政治のせい、教育のせい、従業員のせい、ではなく、すべては自らの責任だと。
これからは、意識して、“本を読むことと人に会うこと”を通して、本物に接し、本物を学んでいこうと思います。
3.アクションを起こす
「いまやる、すぐやる、おれがやる。」 自分に何ができるのだろう、と考えるだけでなく、できることからやっていこうと思いました。 話題の「夢をかなえる象」という本の中で、毎回課題が与えられます。その中で意識をして始めた事があります。「コンビニで寄付をしよう」という課題です。お金の使い道を考えることで、関心の持ち方も変わった気がします。
先日、オバマさんの演説集を買いました。言葉にとても力があります。そのオバマさんが11月4日にシカゴで行った勝利演説の中の言葉が、「Yes, we can. Change has come to America.」でした。“変化”という言葉に、多くの方が魅了されました。夕張への手紙の中では、ダライ・ラマの言葉が紹介されていました。「自らを変えようという信念は、次に決断へと発展します。さらに決断は行動へと移ります。」
本書の帯の推薦文に小山昇氏が書いています。「小さな気づきと、小さな行動で大きな成果が出ます。」 あれこれ考える前に、身の回りの簡単なことからアクションを起こす、という精神を大事にしていきたいと思います。
本を読むことで、著者の人生観や考え方に触れる事ができます。 著者の体験を擬似体験する事ができます。 でも学んだことがすぐには実践に移せるとは限りません。 しかし、それは自分の潜在意識の中に記録されていくのだと思っています。 そして、自分の中で熟成されて、必要な時に発想やアイディアとして、あらわれてくるものだと思います。 即使える手法やノウハウだけでなく、考え方や気づきを学ぶ事によって、自分の行動や習慣が変わっていくような学び方をしていきたい、と思います。
以上
社員への手紙 その13
2010年12月 7日 06:30
今回は、平成14年10月31日に書いた11月分の手紙です。
拝啓
季節は急激に晩秋に移り、あわただしく冬支度をする時期になりました。朝晩の急な冷え込みと日中の暖かい日差しに体調を崩しやすい時期でもあります。風邪等召されないように十分お気をつけください。
10月から新しい期が始まりました。11月6日には、銀行の支店長、コンサルタントの先生、取引業者の皆さんもお迎えして、経営方針発表大会を開く予定にしています。関係先立会いのもとで今期の経営目標を発表し、全員で目標の達成に努力する決意を発表する場です。
政治・経済はいつまでたっても混迷したままですので、地域の方々と一緒になって頑張っていくしかありません。そのために、「自立型企業作り」を進めていかなくてはいけないと思っています。社員全員がお互いパートナーとして、相互に助け合い知恵を出し合って、独自性のある他社より優れた得意技を持ち、その“強み”を磨いていく。競争力のある”“商品開発力”・“技術力”・“サービス力”をベースにネットワークを広げつづけていく会社が「自立した」企業であると思います。
会社は生き物です。仕事という食べ物と資金と言う血液と資産や人材という体格のバランスがとれていなくては生きていけません。そのバランスを維持していくためにしっかりとした体格作りと食べ物の確保を死に物狂いでやっていかなくてはバランスが維持できなくなってきています。会社は一人ひとりが成長した分だけしか成長していきません。一部の人間の頑張りだけでは現状維持も難しいでしょう。全員が自分の役割、ポジションでしっかり役目を果たし、能力をのばし、力を発揮していかなくては、総合力は伸びません。
今必要なのは、自分のことだけではなく仲間のことや会社全体のことを考えて、自分がなにをしたら良いのかに気付き、みんなが真剣に深く関わっていくことです。毎日の仕事を行っていく中で問題があったときは、他人ごとと考えず、あきらめず、ほおっておかず、自分から動き、ひとつひとつ改善・解決していくことです。
まだまだ、全員の潜在能力は発揮できていません。他人の評価、過去の実績、自分の思い込みにとらわれることなく、自分を信じて挑戦する気持ちを失わないことが大事です。
自分から主体的に動かなくては、いかに良い環境や条件がそろっても、働き甲斐のある職場にはなっては行きません。今を大切にし、一つしかない人生を充実したものにするために、いろいろなことに挑戦し自分の能力や活動範囲をひろげていきましょう。
敬具
これを書いた当時、会社がバラバラのような気がしていました。もっと、会社や組織というものを理解して欲しい。会社の中での個人の役割というものを意識して欲しい、という気持ちで文章を書いていました。今、改めて、1人1人に語りかけて行きたいと思います。
以上
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