志 ~こころざし~ 日向中島鉄工所 社長ブログ
            

 

 入社して最初の配属は、プラント事業本部プロセス設計第3部というところです。
 
 その当時は気付きませんでしたが、今思うと個性の強い先輩・上司の方々がたくさんいて、刺激的な部署でした。 特にある上司は、思いの強い方で、新入社員とマンツーマンで、毎日夜遅くまで、指導を行い、強烈な印象でした。 周りの方の評価は賛否両論でしたが、なによりも、外国の客先の厚い信頼を勝ち得ていたことが、その方の実力を現していたと思います。 私も、その方の下に海外のプラントでつくことになり、かなりしごいて頂きました。 最近は、そういう骨のある方が少なくなった気がします。
 
 プラント設計とは、工場全体を設計し、建設をするという仕事です。 海外向けに工場を設計し、機械の調達から、納入国での製作等を行った後、現地に行き、工場全体を建設し、試運転調整を行って、客先に引き渡すところまで行います。
 
 プラント全体の価格も数十億円と高額なうえ、契約形態によっては、契約から引き渡しまで、数年間にわたり従事するという事もあります。 フルターンキーという契約形態では、プラントの完成はもちろんの事、客先の運転指導も行い、1年間の保証期間の対応も行います。
 
 プラント第3部は、とってもユニークな部門でした。 プロセス設計第1部が、ケミカルプラントの設計。 プロセス設計第2部がセメントプラントの設計。 そしてプロセス設計第3部がその他プラントの設計という分担でした。
 
思い出すだけでもユニークなものがたくさんありました。ロシア向け各種製造工場、廃船上に遊園地を建設するというもの、社内の貯炭場や、自社工場の最新鋭化等々、様々な物を手掛けていました。
FS(可能性検討)まで、入れるとかなりの種類だったと思います。
 
その中で、印象深いのが、エジプト向け石灰石焼成プラント、でした。 入社して間もなく、そのプロジェクトの一員として、任命され、初めての海外プラントでしたので、わからないことだらけでした。 
 
しかし、そのプロジェクトで経験させて頂いた事は、何物にも代えがたい貴重な物でした。
 
プロジェクトの話はまた、次週・・・

アメリカという国

2011年1月29日 06:30
            

 

 IPEの視察を終えて、今日、日本に帰ります。
 
短い間のアメリカ滞在でしたが、様々な事を考え、いろいろな事を学んだ2日半でした。 
 
まず、アメリカの雄大さと豊かさを感じました。 計画的に町を作り、食糧や物資を大量に準備し、多くの人がそれを享受しています。 また、桁違いに豊かな人たちが、社会に対する責任もしっかり果たし、尊敬をされています。
 
また、懐の深さを感じました。 
テレビでは、大統領の演説に対して、毎日様々な意見を述べ、議論を重ねています。 人々が、自分の意見を堂々と発表し、議論を通じて、合意を形成していこうというエネルギーを感じます。
 
しっかりとした自己主張と自己責任の姿勢を感じました。 自分達で自分達の地域を、国を作っていこうという姿勢をしっかり持っていると思いました。
 
そして、文化と歴史を大切に、それを作ってきた先人たちへの尊敬の気持ちと歴史への深い理解をもっていました。
 また、平和と自由も自分達で勝ち取ってきた歴史があるからでしょうか? 平和と自由に対するこだわりと執念を持っているように思いました。
 
一方、未だ、職業や教育の根本的なところでの差別や階級のようなものも感じました。
多くの方が夢を描き、実現するために、可能性に挑戦をするものの、教育を受けられない人の所得や職業が固定されているように思いました。
 
アメリカの人々は、大雑把なところがあるけれども、大きく全体をつかみ、仕組みや仕掛けを作る事には、とても優れたところを持っているように、思います。
 
 客先の社長さんから、教えてもらった事を思い出しました。
 
 コップの中に様々な大きさの石を入れる時に、最初に小さな石を入れてしまうと、大きな石が入らなくなってしまう。 まず、大きな石を先に入れるべきで、そうすると、小さな石は、その隙間に入っていく。
 物事を考える際に、枝葉末節な事を先に考えてしまうと、全体がつかめなくなってしまう。 まず全体を大きくつかんでから、細部に入るべきだ。
 
 ニュースの言葉面や内容の理解をしようとすると、ニュースの本質的な意味や必然性が見えなくなる。 敏感になるためには、鈍感にならなくてはいけない。 知識を武器にしたら、知識に負ける。
 
 以上

社員ブログ、好調! 

2011年1月28日 07:00
            

 

 昨年の9月1日に開始した社員ブログが続いています。 
 
 毎日担当を決めて、1週間を7名で繋いでいっています。 継続は力、HPリニューアル後、5ヶ月の間、みんなが協力をして、毎日繋いでいる事は、とても素晴らしい事だと思います。
 
一つの事を、みんなで続けていく、役者や役割が変わっても、その目的は失わず継続をしていく、そして、みんなで支えて行く。 まさに会社の業務で行なうことと全く同じです。 ブログで単純化されてはいますが、仕事の進め方を象徴するように、みんなが一つになって、継続できている事がとてもうれしい事です。
 
 また、ブログを書くことで、みんなの趣味や休日の過ごし方、家族の事など、とっても身近に感じられます。 仕事以外の場で、皆さんの楽しんでいる事や、地域での活動の事なども伝わってきて、さらに親近感もわいてきます。
 
 驚くほど多くの方々にブログを読んで頂いています。 また、読者からのコメントも頂き、担当者の大きな励みにもなっています。
 
 今、四半期ごとに、担当を変更して、より多くの社員が参加できるようにしています。 これからも、みんなが会社の顔として、登場して、発信するブログを継続していきたいと思っています。
 
 改めて、仕事以外の部分で発信をして、1人1人の顔が見える会社になり、何らかの形で、地域の方々とつながる事の大切さを改めて、感じています。
 
以上

IPE視察レポート

2011年1月27日 06:30
            

 

 今週は、アメリカのアトランタに来ています。
 
 インターナショナル・ポートリー・エキスポ (養鶏・処理機械等の展示会)を視察するためです。
 
 今回は、営業技術部の石塚主任を連れてきました。 我が社のお客様と一緒に行動をし、業界の世界的な動向をみる、またとないチャンスです。 ブロイラーやレイヤーの業界で、いかにメーカーが開発にしのぎを削り、自社のPRをしているのか? 肌で感じるよい機会だと思います。
 これから、我が社を背負っていく世代の代表として、色々な物を見て、肌で感じて、貴重な経験としてもらいたいと思っています。
 
 これからの時代は、仕事は例え日本の一地方で行っていても、世界の経済の流れに影響を受けるのは避けられません。 だから、世界で起こっている事にも関心をもっていなくてはいけません。
 
 まずは、アメリカという国を肌で感じ、習慣や文化や、その他様々な違いを感じてもらいたいと思います。
 アトランタ空港についてから、パスポートコントロールを通り、通関を行い、地下鉄でホテルに入るまでの間にも、日本とは違う部分をたくさん発見しました。 アメリカ的だと感じる部分もありましたし、無駄に見える部分もたくさんありました。 また、万事につけて、仕事が粗くも感じました。
 
 今日のテレビでは、オバマ大統領の演説の様子が繰り返し、放映されていました。 詳細まではわかりませんでしたが、とっても堂々とした語り方で、メリハリの利いた調子で、聴衆を惹きつける語り口でした。 一つだけ印象に残った言葉がありました。 未来は贈り物ではない。達成すべきものである (Future is not gift, future is achievement.)。 自ら未来を作っていこう!という意味かな?と受け取りました。
 
 二日間、展示会を視察して、29日に帰国します。
 
以上
            

 

 
“こころざし”平成21年9月分課題レポートは、ガラパゴス化する日本の製造業・産業構造を破壊するアジア企業の脅威/宮崎 智彦 著でした。 その時に提出した私のレポートを以下に掲載します。
 
1.ガラパゴス化するとはどういうこと?
 
人件費の高騰、固定費の増加、損益分岐点の上昇、が起こると、おのずと付加価値向上の必要性が出てきて、コモディティー分野の製品を国内で作っていては、競争に勝てなくなっていくのは自明のことだ。
機能も品質もそこそこでいい、価格が安いことに一番の価値観があるという人々をお客さんと考えた場合に、日本の工場で作っていては、経常収支を合わせることは無理だと思う。日本の優秀な労働力を使って戦うべきフィールドはどこなのか?ターゲット顧客は誰なのか?をしっかり考えるべきだと思う。
所得の向上、個人的趣向の変化、個別に対応するべきマーケットの広がり、本物志向、少品種多量生産ではなく多品種少量生産の世界、日本が顧客とすべき人・対象とすべきマーケットは、そういう人・分野ではないか?
 
もうひとつ、日本はファブレス企業ばかりになっていいのか?どういう分野なら、日本が世界に存在価値を示せるのか?世界から求められる日本の貢献とはなにか?他国に対して、差別化できるのは、どういう分野なのか?やはり、高度な技術の世界“ものづくり”だと思う。
藤本隆宏著「日本のもの造り哲学」の中で、日本の企業が持っている組織能力に強みがあるという話があった。をいかに生かすか?クローズド・インテグラル型を目指す。独自の要素技術と多能工化によって、複雑なすり合わせ製品を作る能力は大事にしたい。 独自の進化を遂げないところに、差別化はない。コモディティー分野で戦う必要はない、と思う。
 ただし、売れるものをつくる。購買力あるところへ行って、売る。ということを忘れて、作ることだけに専念しては意味がない。そのことへの指摘は、大事だと思う。
 
2.付加価値をどうつけるか 
 
 新興国のものづくりとどう差別化を図っていくのか?一つは、新しい技術を生み出さなくてはいけない分野での開発。環境・循環型社会分野、新エネルギー分野は今後発展していく分野だと思う。こういう分野で、新しいものづくりを行う場合には、日本が培ってきた高度な技術が必要となると思われる。
 
二つ目に、企画・開発・設計等のエンジニアリング業務の効率化の分野、試作の短縮化などがもの作りを変えていく。 最後に、ロボット産業。先日、ロボット産業はどういう方向に向かうのかについて、ロボット技術を教育産業で展開している会社の方と話す機会があった。ロボットが全く新しい産業になるということではなく、ロボット産業が持つ認識・制御技術を使って、既存の産業の新しいニーズを掘り起こし、創造していく中で発展していくだろうということだった。
 
3.新しい価値観の創造 
 
 私たちは何のために働いているのか?という根源的な問いに立ち返らなくてはいけない。真の意味の豊かさとは?日本人は、働くことを通して、人生の意味を考えられる稀有な人種ではないだろうか? 今、私達は、資本を増やすことがいいことだ、拡大することがいいことだ、という価値観からの転換期にいるのではないだろうか。
 
元経産省審議官の大塚さんがおっしゃっているように、成長の限界に達する時期は、そう遠くはない未来のことで、その時には、都市と地方、各産業の地位の逆転が起こるかも知れない。しかし、それでも私たちが何らかの価値創造をしなくてはいけないという事実は、変わらないはず、そして、世界の中で日本人が、それを作りだせる一番近いところにいるのではないか?と思う。
 しかしそのためには、日本人がどんどん海外に飛び出し、グローバルな視野と日本人の良さを認識する目をもつ必要があると思う。
 
 キーワードは、グローカルだと思います。 グローバルな視野をもって、地域に密着した活動で存在感を出していきたいと思っています。
以上

プロフィール

島原俊英

名前: 島原 俊英
(しまはら としひで)
年齢: 1962年11月23日生まれ(47歳)
家族: 妻、息子、リーフ(ミニチュアダックス)
趣味: スポーツ全般 & 読書
特技: 少林寺拳法 3段

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