こころざし課題図書(平成20年6月度)
2010年10月27日 06:00
今回は「インドの衝撃」です。平成20年6月度の課題図書です。
1.インドのエネルギー
本書を読んで、あらためて今のインドが持つパワーを感じました。電力事情の悪さ、工業化の遅れ、識字率の低さなど多くの課題を抱えているものの、IT部門を主軸とした成長や、それを支える高等教育など国を引っ張る牽引力の力強さも大きな脅威を感じました。20年後には、日本を超えて中国・アメリカに次ぐ世界第3位の経済大国となり、30年後には中国を抜いて世界で最も人口の多い国になると予想されています。
東洋経済の記事では、国の経済発展はそれを支える労働力と消費購買力の生み出す20歳から40歳の人口の多さによるところが大きく、どの先進国もその時代を2回ずつ経験してきたといいます。それを経済のエンジンと呼んでいます。中国・ブラジル・インドはまさに人口のエンジンがはまっている時代にあるといえます。それに貧困によるハングリー精神と旺盛な消費意欲が加わり、日本の高度成長期と同じ軌跡をたどっているようです。また、ITを使う仕事の自由度が飛躍的に高まったことにより、「世界経済の競技場が均されてフラットになり」爆発的なエネルギーを生み出しています。
2.高い志
そして、このエネルギーや熱気を生み出している根底には、今のインドの人々の高い志があるのではないかと感じました。「自分のためではなく、家族や、地域、そして、インドのために勉強をする」「インドの発展のために貢献したい」バンガロールのIT企業のトップから、ビハールで貧困から抜け出そうと必死に学ぶ若者まで、同じ思いでみんなの思いを背負って精一杯努力をしているようです。具体的に「この人たちのために、自分は頑張る」と思う対象を持ち、「あの人のようになりたい」と明確な目標を持ち、迷うことがなく、生きているように見えます。
さらに、政治におけるインドの人たちの姿勢をみると、日本が失いつつある気骨や自国に対する強い誇りや強烈な自負心を感じます。自主判断をする権利や主権を守ろうとする気概を感じます。
3.消費中毒
しかし、インドも日本と同じ道をたどっているような気がします。清貧の精神を大事にし、お金とは別の精神的な価値を大切にするとはいいますが、消費中毒は確実に進み、都市の核家族化は個人主義を促進していくのではないかと思います。大量生産・大量消費を追い求め、お金と時間の価値が追い求められる。豊かな生活が営まれ、高学歴な人々が増え、少子高齢化が進み、成熟した国家となる。先進国の経験を教訓にして、インドはどういう国づくりをしていくのか、これからが正念場ではないでしょうか?
4.インドに学ぶこと
日本はすでに、人口が生み出す熱気やエネルギーの総量では減少期に入っています。それではどうやって国際間競争に勝っていくのか?それには、再度高い志をもった人材を育てるしかないと思います。第一章でインドのエンジニアが言っていた「テクノロジーがテクノロジーを呼び新たなテクノロジーの革命が起きるということほど、うれしいことはない。」「世界一厳しい日本のユーザーの要求にこたえることで技術レベルがあがり、世界のスタンダードとなることは非常にやりがいがある」というようなしっかりとした志と誇りをもったエンジニアを育てること。そして志向性を同じくする人たちが集まり、自発的に取り組み、創造を生み出す仕組みを作っていくことが大事だと思います。
ITの時代ではあってもテクノロジーの役割はますます大きくなっていくはずです。世界の抱えるエネルギーや環境の課題を解決するためには、越境的なネットワークにより、技術的なイノベーションを起こしていくことが最も有効な手段であると思います。
世の中の変化の速さには驚かされます。
こころざしでは、いつも「リスクをとってチャレンジしよう」、といっています。釜の中の蛙になってはいけないと思っています。如何に環境が変化し、求められている製品や技術が変化しているのかを、感じられなければ、従来のやり方に固執し、自ら変化をすることを厭うようになってしまいます。正しい危機感がないと、現状に安住してしまいます。しっかり未来を見据え、常に変革し、挑戦し続ける会社でありたいと思っています。
Change & Challenge !!
以上
社員への手紙 その7
2010年10月26日 06:00
平成14年4月30日に書いて、5月分給与明細に入れた、手紙です。
拝啓
五月晴れで晴れ渡った空にこいのぼりが元気に泳ぐ季節になりました。
時に寒さが戻ったり長雨が続いたりしていますが、いかがお過ごしでしょうか?
天候不順な折、お体には十分お気をつけください。
先日の社員旅行へはご理解とご協力をいただき有難うございました。 天候にも恵まれ、おかげさまで、楽しい旅行をすることが出来ました。 旅行に参加された皆さんは久々に仕事から離れてリラックスした時間を過ごせたのではないかと思います。 また2泊3日の短い時間ではありましたが、韓国の料理を食べ、歴史を勉強し、ミュージカルを見、いろんな買い物をし、いつもとは違った体験ができたのではないでしょうか。
我が社は、様々な業種の機械を作り、工事を行います。また、いろいろな場所に出張に出かけていきます。その気になればいろんなことを見聞きし吸収するチャンスは多いとおもいます。
いろんなことに興味をもち、視野を広げ、感性を豊かにしていっていただきたいと願っています。たった一度の人生です。いろんなことに挑戦し、豊かな人生を送りたいものです。
先日、面白い話を聞きました。誰もがぶつかる問題や課題の話です。
「あなたの前には必ずあなたが解決できる壁しか現れない」というのです。「あなたの前に日本の景気を良くしなさいという問題が現れますか?失業率を減らしなさいという問題が現れますか?あなたの前に現れた壁は必ずあなたが解決できるものでしかないのです。」なるほどそうかもしれません。現れる問題が、その人の立場、生活環境、人間関係などから現れる問題だとしたら、その人なら解決できる、その人しか解決できないのかも知れません。人に任せず自らが本気で取り組めば必ず道は開けるということだと思います。
変化が激しく、競争の厳しい時代だからこそ、主体的に動き前向きに努力する姿勢を忘れないようにすればチャンスも必ず訪れると思います。みんなで知恵を出し合いながら、プラス思考でチャレンジをしていきましょう。
敬具
月に一度の手紙ですので、自らを鼓舞し、社員さんに強いメッセージを伝えたいそして、家族の皆さんにも会社の事や私の考えている事を知ってほしい と考えて、文章を書いています。この頃は、文章を書くことにも慣れていませんし、一行書くのにも時間がかかって、毎月月末になるとかなりプレッシャーを感じ、頭を悩ませながら書いていました。(^^)
以上
EARTH CHILD 2010 植林フェスティバル
2010年10月25日 06:30
先週末、土日は例によって、いくつもの現場工事があり、休日出勤での対応に追われていました。いつもながら、製造だけでなく設備工事を行う我が社の宿命であるとはいうものの、社員の皆さんの協力への感謝とお客様からの期待に対する責任の重さを感じています。
そんな中、私は、昨日熊本で行われた1000人の植林チャレンジフェスティバルに参加してきました。今、多くの方が環境問題に草の根の活動で取り組んでいます。我々人類が直面している環境問題について、第3者的に評論するのではなく、ただ愚痴や不満を口にするのではなく、自分達のできる事をできる範囲から始めてみようと考えて動く方々が多くいます。日本の未来は、明るいと感じる事ができます。
九州各地から、いや日本全国から熊本県宇土市に1000人を超える人が植林をするために集まるなんて。そして、語り部組、アホ会の皆さん、なんのためにTシャツを着た大分夢クラブの皆さん、と再会し、一緒に行動できた事、とっても嬉しく思いました。
豪雨のような雨の中、楽しみながら植林をする多くの人々仲間達、ぐしょぐしょになりながら、どろどろになりながら、自然と笑顔がこぼれました。素晴らしいと思ったのは、イベントの細部にいたるまで、参加者が楽しめるように大事に作られて事でした。植林地まで行く山道の道すがら、全く飽きさせない様に数多くの仕掛けがありました。まるでテーマパークのようでした。実行委員の方々の3日間の準備期間の学園祭のようなノリの話を聞いて、羨ましくもありました。
植林のあとに始まった、ステージイベントも感動的でした。アーティストの発するメッセージも、植林イベントの趣旨とマッチし、参加者の胸に迫る物がありました。
チャンピオンとは、倒れない人ではなく、倒れてもあきらめず、立ち上がり、最後に立っている人。失敗を恐れ一歩踏み出すことをためらって生きるよりも、失敗あきらめずにやり続ける人生の方が楽しいと思いませんか。2%の改革派になろう、この人たちはいつも批判される人々、しかし、この2%が立ち上がらなくては、何も変わらない。自分を信じて動き出そう。
そして、体育館がライブ会場と化しました。手をつなぎ、大きな声で合唱をし、体育館全体が一体となって揺れていました。
主催者のてんつくマン、中村文昭さんも、今回の雨によるイベントの中途半端な結末を前向きにとらえ、次の挑戦を口にしていました。この動きが輪となって広がっていく予感がしました。自ら動きださなくては何も始まらない。自分のできる範囲で、自分の住む地域で動きだそうと考えさせられたイベントでした。
以上
自分史(その7)、中学受験
2010年10月24日 07:00
小学校の頃から、どちらかといえば、人と違う事をしたいという気持ちが強かったように思います。内気な性格だった事もあると思いますが、集団で行動するよりも、人と違った事をやってみたいと思うような傾向がありました。だから、地元の中学校に行くよりも違う世界を見てみたいと思い、少し離れた宮崎市内の私立の男子校に行くという選択肢にもあまり迷いはありませんでした。その後の大学進学、就職の際にも、より多くの人に、もまれる場所に身を置こうと考えていた気がします。
また、母の影響も大きかったと思います。教師の娘で役場勤めを経験し、父と結婚した母は、本を読むのが好きで、教育熱心でした。母の大きな期待も感じつつ、進路を決めた面もありました。私立の中学校に行かせるためには、経済的にも大変だったと思います。会社もまだ、創業して5,6年しかたっていない頃ですから、かなり負担になっていたと思います。
しかし、子供に残してやれるのは、教育しかないから、と父がいっていたのを思い出します。
本をたくさん読んでいましたので、国語が好きでしたが、正直なところ、あまり勉強は得意ではなく、特に暗記ものは好きではありませんでした。中学受験もあまりいい結果では無かったと思います。しかし、受験に向けて勉強をし、その結果を合格発表で知り、合格を喜ぶという体験は、“やればできる”といういくらかの自信と共に、それからもいろんな事に挑戦をする気持ちにつながっていきました。
受験勉強をしていた時のことで、思いだす事があります。正月に初詣で神社に行った時の事です。父から次のようにいわれました。“お願い事はするな、自分はこうなるために頑張りますので、見守っていてください、というほうがいいんだぞ”、と。
そして、日向学院中学校に、なんとか滑り込みました。当時は寮や下宿で共同生活をすることが普通でしたので、親元を離れ、大和寮に入りました。今、息子も日向学院に通っていますが、今の子供たちはあまり共同生活になじまないみたいで、中学校の寮は廃止になってしまいました。たしかに、色々な制約があって、個人の時間は極端に少なくなりますが、自分のわがままが通じないという体験をすることによって、学ぶ事も多く、貴重な体験をさせてもらいました。毎日、夕方から就寝まで自習時間というものもあり、机につく習慣を付けられました。勉強ばかりではなく、本を読んだりすることも多く、寮監の目を盗んで遊ぶのも楽しい経験でした。
自分史、来週は中学校での生活について・・・。 以上
みやざき中小企業経営フォーラム
2010年10月23日 07:00
昨日は、第19回みやざき中小企業経営フォーラムが行われました。
333名の方が参加されて、大変盛会のうちに終了する事ができました。全国各地から報告者として、フォーラムに参加して頂いた全国の同友会の経営者の方々、経営について学び合うために、日向の地に足を運んで頂いた、参加者の方々、実行委員長の金子さんをはじめフォーラムの成功に向けて準備を進めると共に当日の運営にも献身的な尽力を頂いた実行委員の皆さん、運営の根っこの部分をしっかり支えてくれた事務局の皆さん、本当に多くの方々の力が結集されて、なしえた大きな成果でした。
準備の間、県北支部の幹事の皆さんは、初めてフォーラム作りに携わる方も多くて、不安や迷いの中でひたすら動き、前に進む毎日だったと思いますが、日を追うごとにみんなの気持ちがまとまり、1人1人の動きも目に見えて変わってきました。みんなが自分の役割を精一杯果たしたおかげで、それぞれの思いが集まり、そしてひとつにまとまり、力強さや元気さ・活力を感じる良いフォーラムになったのだと思います。
どの分科会も素晴らしかったと聞きました。全体会での報告でそれがよく伝わってきました。私の参加した第1分科会もすばらしい報告でした。報告者の河野社長の生き様が伝わってくるお話しでした。ノウハウやテクニックではなく、妥協せず本物を追い求める姿勢に感動しました。男気あふれる河野社長の生きる姿勢に感動しました。とってもかっこいい経営者像でした。
今回のフォーラムで、間違いなくすばらしいリーダーが生まれました。金子実行委員長のいつも率先して動き、みんなを鼓舞し続けた姿は、みんなを動かし、フォーラムを成功に導いたと思います。途中迷ったりぶれたりした事もあったと思いますが、スタッフのみんなに支えられ、そして踏ん張りどころではしっかり踏ん張って、みんなにこのリーダーとなら最後まであきらめずにがんばれるという安心感を与えていました。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。一つステップを上がったと思いますが、もっともっと高い経営者像を目指して歩みを止めず、更なる成長を期待しています。
代表理事としては、反省するところも多くあり、いろいろと気付かされました。そういう意味でも学びの多いフォーラムでした。そして、多くの素晴らしい経営者との出逢いもありました。
このフォーラムづくり・運営に関われた事をとっても嬉しく思います。
ありがとうございました。
以上
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